
アメリカ北部は夏にいけばハイキング天国だが、冬は極寒の地と変わる。 湿度はもともと高くないので一部の山岳を除けば積雪量としては大したことは無いが、平野部でも気温は-20Cに達することもしばしば発生する。 0C以下でのキャンプの際に留意しておきたいtipsを幾つかあげてみよう。
ちなみにSub Zeroというのは0度以下という意味だが、アメリカでは摂氏(C)でなく華氏(F)表示が標準なのでSub Zeroは0F以下つまりは-20C(厳密には-17.8C)以下を意味する。ここでは0C以下ということで真のSub Zeroではない。
火の元に注意
冬のキャンプでは夏とは違いテント内で炊事したりすることが必要になってきます。 テントや寝袋、ウェアなどは基本火や熱には大変弱く、燃えないまでも熱にて変形したり穴が空いたりすることしばしばです。 炊事道具とこういったものとの間にできるだけ距離を置くのは当然ですが、なかなかお湯が沸かないからと言って火を強くしたりするのは厳禁です。 どうせ夜は長いので気長に待ちましょう。 また火に比較的強いたとえばwool(意外に耐火性強いです。焦げても燃えません)などのlayerを着て調理に当たるなどの工夫も良いと思います。
Sleeping bag
冬campの経験がある人は知っていますが、Sleeping bagの限界温度を過信しないこと。もちろん人によって体感は大きく異なりますが、寒い場所でのcampの経験が少ない人であれば-20度の表示でも基本は-10度がいいところだと思います。 予想最低気温-5C(or -10F)の余裕を見ておくことは天気予報が万能でないことを除いても最低必要です。 結露で夏よりはるかに濡れやすいので防水性能も重要です。 また干すことを頭に入れた場合、黒色など濃い色のものが熱を吸収しやすくておすすめです。 裏表にして干すかと思うので外側でなく内側が濃い色のものが良いです。 あと寒いのでSleeping bagの中に頭から潜ってしまう人がいますが、息はsleeping bagの外に吐くようにしましょう。 さもないと湿気がsleeping bagの機能を落としまた痛めることになります。 特に高価な羽毛の場合これは顕著になります。
Sleeping pad
誰もが冬のキャンプではsleeping bagは保温性能の高いものを持ってきますが、意外にsleeping padは薄い夏のままだったりします。 冷たい空気からの断熱より冷たい地面からの断熱のほうがより重要ですので、R値のより高い(4以上の)ものに換えましょう。 冬はsleeping bagを始めかさばるものが多いので少々重くなりますがopen cellタイプがおすすめです。 持っていればclosed cellの上にopen cellのものと夏用のものを2つ重ねるのもOpen cellに穴も開きにくくなるし座る場所も出来る上、経済的です。
手袋と帽子
ULハイカーに予備を持てというのは酷なのかもしれませんが、手袋なり帽子なりはどんなに気をつけていても必ずなくします(笑)。 予備の手袋と帽子は薄くてへなちょこなものでもあるとたいへん助かるので用意しておきましょう。 薄皮一枚でも風を防ぐことができれば表面温度に大きな違いが出るので凍傷になるかそうでないかの差を分けます。 またなくさないまでも防水が切れたりして濡れてしまった場合に交換できるものがあると安心です。 帽子は夜寝る時専用の帽子を用意するとこれが予備になります。
ストーブ
ガスの種類については別途説明したのでここでは省きますが、ガスストーブが燃焼する際、気化熱で容器の温度を下げるため、容器に指がひっつく事態がしばしば発生します。 これもガムテープを巻いて防ぎましょう。 また狭いところで炊事をすることになるのでカルデラコーンなどストーブや鍋を安定させるようなしくみ・工夫を考えてみましょう。