Mosquito Attack!!

クマ、ハチ、ヘビ、ダニ、trailを歩いていると出会いたくない生き物はたくさんいるけれど、一番の嫌われ者といえば何と言っても「蚊」である。 昨今west NileをはじめTengyやZikaなど有効なワクチンがなく危険な伝染病の媒体となっているし、たとえそういった病気の危険がなくてもあの「痒さ」と耳の周りでぷんぷんとうっとおしい音を立てられると簡単に楽しいhikingが一転して「地球上で最も居たくない場所」に変わってしまう。outdoor好きで蚊に悩まされた経験のない人はいないだろう。アメリカは日本より全般的にdryなので蚊も全体の比率としてみれば少ないのかもしれないが、とんでもない場所もいくつかある。有名なのはSouth FloridaとAlaskaだろう。 Florida最南部に位置するEverglades National Parkは湿地というよりも幅が何kmにも渡る巨大でかつ非常に流れの緩い川なのだが世界でも最も蚊が密集している地域の一つでNPSの案内にも「さあ、あなたも蚊に刺されてEvergladesの生態系の一部になりましょう」なんて有名な文句がある。実際蚊の虫除け剤のテストのほとんどがこの公園でおこなわれるそうだ。 Alaskaも雨が多いし、雪どけの水たまりはあちこちにできるので暖かくなった途端、蚊が大発生する。 特にmosquito Seasonのpeekとも言える初夏の頃は雲をなす勢いで集まって来るため、予め対策をしっかり立てておかないとhikingをstart出来ないという羽目になっても不思議ではない。 文字通り蚊の大群にまとわりつかれるだけでなく a.)虫除けが効かない b.)服の上からでも刺してくる c.)蚊が逃げない という特徴まである。 実際は虫除けは効かないわけじゃなくてある程度効いているのだけれど個体の量が多すぎて十分でないのである。 そして蚊が逃げないのは大変困ったもので日本だと歩いている時はあまり刺されないものだがこういったところでは動いている手足の上でもお構いなく止まって、そして刺してくる。 その分叩き殺すのは容易なのだけれどもなんせ数が多くて占め切った車の中の空間のような場所ならともかく屋外では何匹殺したところでなにも状況は改善されない。 準備といったってどうしたら良いのだろう。

まずは蚊の特性・行動様式を考えてみよう。 蚊は嗅覚・視覚に加え熱と二酸化炭素を感知し獲物を見つけ出す。30m離れたところからまず嗅覚によって獲物を判断し、7-8m以内になると視覚でとらえ、1mまで接近すると熱によって獲物を判断する。 小さな体であるので乾燥・風に弱く、暗い湿った風の強くない場所を好む。 蚊の飛ぶ速度はあまり早くなく、早くても時速5km程度なので全力で走れば逃げ切れるが総数が多い地域では次から次へと現れるのであまり意味がない。 行動・繁殖には温度が大きく関係しており、摂氏10度以下ではまず行動している個体に出会うことは稀である。熱帯地域では一年中温かいので一年中活動しているが天敵も常に存在する状態なので常に多い状態ではあるが、意外に爆発的な個体数になることはない。逆に四季がある場合、暖かくなっていく段階で一気に爆発的に発生する時期がある。 South Floridaでは5月くらいからだか、一般的には6-7月のいわゆる初夏の頃が最もひどい。8月になってトンボが目立つようになると驚くほど数が減る。 一日の中では種類によって夜に活動的なもの・昼が活動的なものと多様に渡るようだが一般に夕方がもっとも活動的である。

対策としては初夏には蚊の多そうな場所に行くのはなるべく避けるのが第一だ。どうしてもこの時期にいくのなら、まずは物理的な対策である。 長袖長ズボンを着用し、厚めのゆったりとした織り目の細かい服をつかい肌にピッタリとしたニット地のような服は避け、服の上からは刺されないようにしたい。 Evergladesをhikeしたときにタイツの上から中ズボンを履いていた脚はぶ厚さが効いたか全く刺されなかった。 上着は半袖メッシュシャツのうえから薄手の長袖hike用シャツを着ていたが、メッシュのない腕の部分はかなり刺されたし、メッシュの下の胴の部分も少ないかったが
何箇所かは刺されてしまった。暑い・重いということになるかもしれないが、こういった対策は基本である。 頭はつば付きの帽子+モスキートネットを使いたい。最近のモスキートネットは軽量で目も細かく、かぶっていてもほとんど気にならないし視界をじゃまをせず、おもったより快適である。 ただ木の枝にひっかけて破いたりする危険があるので十分に注意しよう。またつば付きの帽子がないと網と肌がくっついてしまい、網の上から刺されてしまう。 サンバイザーなども頭頂部分が無防備になるのでだめである。ベースボールキャップでなくつばが広い帽子は耳の部分にも十分に隙間を作ってくれるのであのプーンという不快な音に悩まされる機会も大きく減ってたいへんよい。 露出する手の甲などには虫除けを多めにつける必要があるのは誰でもわかるが、見落としがちなのが靴とズボンの間である。くるぶしなど靴下の上からもよく刺されたりする。 ここはゲーターをつかって覆ってしまおう。雨用のshort gatorは生地も厚く効果高い。もちろんサンダル等の使用は論外である。

次に蚊を避ける手段として、熱や温度のcontrolは難しいので蚊の嗅覚・視覚を狂わすのが有効だ。 服は明るめの色のものがよい。黒系・青系の濃い色の服は蚊の好むところであるので避ける。濃い色のものはまた熱も吸収しやすいのでその点でも蚊を引き寄せてしまう。 殺虫効果もあるが主に嗅覚を狂わすのが虫除けである。 日本で有名なスキンガードはアメリカで最も使われている虫除けであるDEETを10%以下に薄めたものだが、やはりこのDEETが一番有効なようだ。 ただし20%-35%のものが必要である。35%以上になっても持続時間は伸びるが特に虫除けとしての効力は上がらないそうだ。ちなみに日焼け止めと併用する場合は、日焼け止めは肌の下で、DEETは肌の表面で効力を発揮するものなので日焼け止めを先に塗り込んで、DEETは上にかぶせるようにしよう。 herb系の虫除けはスキンガードと同程度の効果しか望めないようで濃い目のDEETと比べると効果が落ちる。 筆者は通常のhikeではlemon eucalyptus(レモンユーカリ)を使うことが多いが、蚊の多いといわれる場所に行く場合は25%Deetを持ち物に加える。ただしDEETの悪い点は a.)液剤としてベタベタする b.)強くはないが人体に毒性がある c.)ポリエステルやレーヨンなど一部の化学繊維を痛めてしまう というところにある。服の上から刺してくるので服やテントなどにも塗っておきたいところだが c.)のためあまり気が進まないと思う。このため服などには別の虫除けがある。Permethrinといわれる虫除けはREIなどで売られているし、虫除け加工された服はこのPermethrinを繊維に染み込ませたものが多い(ColumbiaのInsect blockerなど)。人の皮膚の上では成分が分解されてしまうため、DEETのように皮膚に塗ったりは出来ないが、虫除けとしてはDEETより強力で安全で効果が長続きし、かつ化繊などとも反応を起こさないのでgear等につけるのに最適だ。これが加工された服はもちろん選択するたびに威力は落ちていくがかなり効果的で蚊が全く止まらないといってもよい。自作の場合、事前に購入して上着やズボン、テントなどに塗布しておくと少なくとも2週間くらいはもつ。残念ながら日本では医薬品として認可されていないので虫除け加工された服などは購入できるけれど塗布薬としては手に入らない。 あとは蚊取り線香。蚊に対するバリアとしては他の状況にも左右されるが、テントや蚊帳の中に入り込んでしまった蚊を追い出すのには非常に有効。 100円ショップの蚊取り線香でも面白いほど蚊がいなくなるのは見ていて楽しい。ただしテントなどは火に弱いので取扱には十分に注意しよう。 蚊の嗅覚は二酸化炭素に起因する炭酸以外にも汗などにふくまれる乳酸やアンモニアの匂いに敏感であるが、石鹸やローションなどの甘い香りにも反応するため、 体を清潔に保つことは蚊を避ける効果があるといえるが、おしゃれをしすぎるとそれも台無しのようである。

最後にhike中の行動であるが、蚊の嫌いな、a.)乾いた b.)風のある c.)開けた陽の当たる場所で食事や休憩を取るようにこころがけたい。 特に風は彼らの移動を困難にし、追ってくるニオイのもとも流れてしまうため、非常に効果的だ。 この時期にはcamp groundとしても普段は使わないような風に晒されたopen spaceに泊まることも考えてみてもよい。 水場としても湖や池のような流れのない水は蚊の幼生のたまり場なので蚊が多くなるが、勢い良く流れる流水では蚊は少ない。 流れのあるところを水場とすることで少しでも蚊を避けることができる。 また蚊の活発な時間を避けるため必要なら夕食は日が沈むまでテント内で待ってそれから作るなどの対策もありだろう。 アルコールは二酸化炭素排出量を増やし・体温を上げるため蚊の移動距離はそれほど大きくないため少し歩いただけで驚くほど蚊が減る/増えることも多い。 風などの状況を含め環境が違いそうなところを探して、少し歩き回ってみると蚊があまりいない場所を見つけるのは簡単にできてしまう場合がある。

基本、蚊の対策として書いたが、ブヨやアブ、ダニなど多くの他の虫に対しても上記対策はほぼ同様に有効である。 しかしながらこれだけやってもどうしても虫にさされることもある(主に油断した時)。かゆみ止めも忘れずに。

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