
一般にovernight hikeを計画する際に道具以外に考えなくてはいけないことは何だろう。Day hikeとは違いovernightになると、day hikeにはない宿泊という大きなactivityが増える。どこで宿泊をするかというのがpointの一つだ。しかし途中、どこで水が補給できるか(あるいはできないか)というのは装備の軽量化に忙しいhikerには一番の関心事だろう。さらに長期にわたるthru-hikeともなると食料その他の補給をどこでするのか(できるのか)というのは水と同様死活問題となる。従来は前にそのtrailを歩いた人の記録(本やblog)や、trailの公式・非公式サイトの水場情報などを頼りに地図に書き込みをしたりしてhikeに挑んでおり、実際のtrail上ではその書き込みや本のコピー、メモだけが命綱だったりすることが多かった。最近はこの点では良い時代になったものでsmart phone上でこういった情報をsummarizeするだけでなく、最新情報もshareできるapplicationというものが幾つか見られるようになった。特にGuthook’s appの名でよく知られるハイキング用アプリはiphone/andorid用両方ありこの3年ほどで最もpopularで一般的なlong distance hike用appとしてスタンダードになりつつある。最初はATのtoolとしてスタートしたが、今ではPCT、CTDを加えた3大trailの他にArizona Trail、Florida Trail 、JMT、Wonderland trailなど有名所のlong distance trailがline-upとして上がっており、それぞれのappが売られていて今後も数が増えていきそうである。最近ではDe Aroa (New Zeland)もでてアメリカ国外のものも作られていくようだ。Trailごとに中のデータが異なるだけでappの仕組みはほぼ同じである。ガイドブックなどに比べると値段が手頃で基本$10以下でかつ即座に購入できるのが流行っている理由だろう。(ただしATやPCTなどの非常に長いtrailは3-5分割されて売られているので全区間合わせると$30-$40程度にはなってしまう。) GPSと地図が結合して自分がtrail上のどの位置にいるなど従来の地図appでもできたことに加え、trail上の水場、camp場、overviewやpeakなどの見どころ、駐車場、トイレ、宿、レストラン、郵便局、VCなどの施設、主な分岐・車道横断地点などがwaypointとして表示され、現在位置から各waypointまでの距離等が表示できる。それぞれのwaypointは例えばキャンプ場ならば何人くらいが泊まれるところなのかなど写真付きの説明がある。写真は現地で本当に解説にあったところなのかどうか確認する助けになるのでよい機能だと思う。さらにはそのway pointの説明の下に自分でcommentを書き込んだり、他人のcommentを見るなど共有することができるため、電波が通じるところでは水場の書き込み情報などこれらのway pointについて最新情報を入手することもできる。まさに至れり尽くせりのappでthru-hikerの必需品といわれるようになってきた。メインの画面はmap画面、waypoint画面、elevation画面の3つに別れておりmap画面では平面上、elevation画面では断面上に自分の位置と各waypointが種類毎にことなるアイコンで示され、それを自由にズームできるので詳細位置・全体位置とも把握しやすい。各waypointはタブルクリックしてやることでそれぞれの写真付き詳細画面に移行できる。またwaypoint画面では水場・キャンプ地などのwaypointを現在位置からの距離とともに並べることができまた検索もできるだけでなく、それぞれの種類毎さらには補給基地となる町毎に索引することもできるようになっており、情報を得るという観点では非常に使いやすく設計されている。地図は基本USGSのtopo, photo, Googleのstreet, photoから選べるようになっており、事前に読み込んでoff-lineで使うことができる。山ではtopo、町ではgoogle streetなどという使い方も可能だ。日本でデータをdownloadしておいてアメリカに入ってからはすべてoff-lineでという使い方も問題ない。Mile/feet表示に馴染みのない人のために距離・高さ表示をkm/meter表示に変えることもできる。スマホの容量が心配な人には地図データや写真データを削除することも可能で後から必要になれば(もちろんその場合はinternet connectionが必要だが)再度downloadできるので容量の削減もできる。このように非常に便利なツールだがいくつか欠点もある。例えばa.) escape route、side trailなどの情報があまりないとか、b.) このappに限らずどんなappでもそうだがsmart phoneが使えなくなった時(故障・電池切れ等)に情報が得られなくなってしまう。つまりはemergency planには別の手段が必要になるので、便利だからといってあまりこのappに頼りすぎるのは自分のsurviveの能力を下げることになるのかもしれない。また情報が多すぎるせいだろうか(それとも私のスマホが年代物になってきたせいなのか)appとしては少し重い部類に入り、ほかの地図appなどとくらべて立ち上がりなどに少々時間がかかるように思える。
筆者はこのappを使って昨年はWT(wonderland trail)をthru-hikeしたり、今年の頭にPCTの一部(South California)を歩いたりした。これが非常に便利で一度使い出すとこれがないtrailを歩くのには苦痛に感じられるほどになってしまった。実際にはtrail上で歩いている時に使うというよりも、計画段階で前述のようにどこで水などの補給をするのかというtrail logistics計画づくりに最も役立った。Trail上で頻繁にスマホを見るのはやはり電池切れが心配なのもあり、水場など自分が必要な情報をappから一度エクセルシートに焼き直してメモとしてプリントアウトして持参したのだが、結局trail上ではほぼこのメモが一番の相棒となった。appを立ち上げたのは従来の地図appと同様に自分の歩いている道が正しい道かどうか確認したときくらいのもので1日に何回もなかったが、メモの方はtrailを出るまでに擦り切れるほどによく参照した。地図appとしてはプロファイル(断面図)がすぐ見れるのがこのアプリの強みで視覚的にパッとどのくらいの登り/下りなのかわかるのは非常にありがたい。ただしOSM cycling mapなど他のより詳細な地図を使っている人には1/50,000のUSGS topo mapは地図自体から得られる情報が物足りないだろうし、custom地図なども使えず地図appとしては使い勝手はそんなによくない。Map navigation toolというよりもtrail 旅行計画進行toolというような使い方が適しているように思う。日本語対応ではないが難しい部分はないので特に問題にならないと思われる。