
NPSのtrail上で怪我をしたりして動けなくなったりした場合には日本と同じように警察に電話しましょう。 番号は110ではなく911です。 ちなみに消防や救急車も911です。 日本のように緊急時の連絡先で区別があるのは国際的には例外的のようです。 NPSに電話しても対応してもらえますが、事前にHP等で電話番号をしらべておく必要があります。 またemergency phoneとして対応番号があるparkもあるのですが一般問い合わせ用の電話番号しかない場合のほうが多く、その場合通常業務時間内以外は機械での対応のみとなってしまう場合もあるのでemergency phoneがないparkでは911のほうが良いでしょう。 昨今の予算削減のため多くのNPS unitでemergency phoneは中止または廃止されているようです。 ちらっと確認した限りではGreat Smokey NPがemergency 専用lineを持っているようですが、Yosemite, Grand CanyonやYellowstoneですら緊急時には911するよう勧めていますので、911するのが基本のようです。
NPSの統計によると毎年約150人程度がNPS park内で死亡しています。 うち一割強が自殺。 ただし年間のべ入場者は3億人近いので特に公園内で死者が多いわけでは無いようです。 自殺を除く死因を見ると2位の交通事故(約28%)はほぼ予想どおりですが、ダントツに多いのが1位の溺死(約39%)。 川・海・湖と景色の良いところは揃っていますから、日本でも俗にある夏休み中の水の事故が一番大きいですが、hikingの渡渉の際に死亡した人もいるようです。 Hike中に起こるもので一番大きいのは落下またはスリップ(約19%)です。 ここには雪崩等で死んだ人も含まれるようです。 実は私の知り合いも夏にYosemiteのtrailで滑落して死亡しています。 クマやマウンテンライオンなどによる死は1%未満、またハチやヘビなど毒による死も1%未満、合わせてもwildlife起因は1%強程度と非常に少ないですが、熱中症(約3%)、低体温症(約2%)と環境・自然による死因は落雷も含めて9%程度発生しています。 病気・怪我での統計だと母数が7倍程度に増えますが、原因は死亡と大きな差はありません。 遭難として日本のものと比較すると道迷いによる遭難はかなり少なく、転倒・滑落によるものが多いのが傾向といえるかと思います。 NPS内のtrailはたとえprimitiveとの表記があっても日本のtrailよりわかりやすく整備されているものが多く、またmaintenanceも頻繁に行われており標識もかなりしっかりしたものが多いです。 またvisitor centerに行けば多くのtrailの地図が用意されておりそれを持っていればback countryのtrailでもある程度まではほとんど問題なく歩けてしまうようになっています。 逆に自然環境に手を加えるのを控えるpolicyから断崖絶壁の展望台でも見学者の安全のための柵や鎖は設置していない公園が多くこれが落下等の数を増やしている原因だと思われます。 私は高所恐怖症気味なので絶壁に近づくのはとっても腰が引けて近づくことも少ないのですが(手前の岩ごと滑落しそうな気がします)、きゃあきゃあ言いながら絶壁まで行かれる方もかなりいるので時々落下事故があっても不思議ではないかと。 Trailとしてみると日本とは逆に絶壁すれすれを通るようなものは少なく全体的にtrailの幅も広いのでtrail上での落下が多いとはあまり思えません。 Wildlife起因の事故は想像以上に少ないと思いますが、これについてはまた別途書きたいと思います。 もうひとつ気をつけなくてはいけないのは熱中症の割合が比較的多いところでしょう。 やはり日本より乾燥し日差しも厳しいところが多いので出かける前に帽子と日焼け止めは絶対に忘れないようにするべきです。 また水は日本よりも必ず多めに用意しておくべきでしょう。あとは場所によりますが、平原の多いアメリカでは落雷による死亡も時折発生しています。岩山のような場所にいるときは天候に十分注意しましょう。出くわしてしまったら、姿勢はなるべく低くして。車はよいシェルターになります。