
アメリカでhikingというとやっぱりthru hikeなんて思っている人がとても多いのだけれど、実際ATやPacific Crest Trail(以後PCT)のthru hikeが日程的に可能な人がどれほどいるというのであろうか。 つまりは半年近くの間、社会やcommunityからはなれていて、金銭的な側面も含めてやっていける人って そんなにいない。 自分が考えつくのは業界の人とか大学生とかとても元気な退職後のgolden ageの人、あとはbetween jobsの人くらい。 サラリーマンはもとより顧客相手の自営業だって 半年留守にすれば 顧客が戻ってこないあるいは戻ってくるまでかなりの時間がかかってしまう可能性はかなり大きくてなかなか出かけるのは簡単ではないだろう。 たった一度の人生なのでhikeの方が大事という考えも個人としてはありだろうが、特にこの不景気の折、 overnight hikersの間でこの話題になることは会っても、なかなか「じゃあ辞めよう」とは簡単にはいかない。 そもそも首になって無職の精神状態で結構toughな精神的challengeとなるlong distance trailをこなせるものなんだろうか。 また自分は良くてもまわりはダメというのが普通。 一般の普通の社会人として長期休暇というと大抵は1週間まで、まあきちんと準備して2週間の休みがとれれば御の字、一ヶ月の休みは上司は許してくれるかもしれないが会社での人間関係が壊れてしまうかもしれないし、またそこからくるプレッシャーは耐え難いものだろう。 仕事を続けていくつもりなら、無理してなんとかJohn Muir Trail (以後JMT)を歩けるのがよいところではないだろうか。
私個人はやはり何ヶ月に及ぶ休暇を とったことはなく、というかそういった休暇をとるほどの思い切り/思い込みはできていなくて、何ヶ月もの長期にわたるthru hikeというものを体験したことがなく、どういうものかわかっていない。 精神的な満足感のほうが大きいのかなあと勝手に思っている。 というのは実際どこどこへ行った、こんな素敵な景色を見たというのは thru hikeではなく day hike あるいは1,2泊程度の hikeで十分に味わえるというか、そういう短いhikeの方が明確な目的にかなった素敵な体験ができると思っている。 たとえば、day hikeのほうが狙った季節・天気のもとでのhikeがし易いのは明らかだし、thru hikeは名所つなぎではない。 基本的に歩くことは同じでも全く違う2つの楽しみ方なのではないだろうか。 trail headからtrail headに車を飛ばし、数mileから10mile程度までのhikeをどんどん重ねていく、時には一日朝から晩まで20mile以上歩いてみる、そしてhikeが終わった後はレストランで食事を楽しみ、ゆっくりシャワーでも浴びてベットでぐっすり。 短い1週間しかないアメリカ旅行の中ではこういった楽しみ方が時間を最大限に生かせるのではないかなと思っている。