Electrolyte drink

前回は尿の色を見ることによって脱水を防止しPerformanceの高い状態を維持する話をしました。
今回はどんなものを飲むべきかについて話をしてみましょう。
水分を失う過程においては、水そのものだけでなくNa, K, Ca, Mgといったミネラルも同時に汗として排出されほっておくと筋肉痙攣などを引き起こしたりすることもあります。
実際、私も汗をたくさんかく初夏~初秋のハイクでは気をつけていないとよく指先などがつりそうになったりすることが起こります。
塩等のミネラルを含んだもの(Electrolyte – 電解質という単語が英語圏ではよく使われています)を取るべきです。
ただよくあるスポーツドリンク、gateradeとかポカリスエット等はミネラルの補給もしてくれますが、それ以上に大量の砂糖を含んでいることが問題で、エネルギー補給としては良いのですが通常の清涼飲料水同様血糖値を一気に上げてしまうことになり、運動時の体にはやさしい・よい飲み物とは言い難いのが実情です。
日本では最近OS-1等、経口補水液と言われる製品が流行りになってきましたのでこれらを利用してみたくもなりますが、問題点もあります。
実は経口補水液はどちらかといえばすでに脱水に陥っている状態からの回復を目指しているので電解質がかなり濃いです。また砂糖もそれなりに入っています。
オススメはやはり携帯しやすいtabletやpowder状のもので、アメリカでもっとも手に入りやすいのはNunnのtabletではないかと思います。
REIのようなスポーツ用品店だけでなく、スーパーマーケットや薬局などでもよくみかけます。
Vitamine, energy, restなどいくつか種類がありますが、hike用としてはsport/hydrationを選ぶと良いでしょう。
10錠入りで5-6ドルくらい。1錠で500mlのボトルにいれて使います。
かんたんな比較表を作ってみました。製品の内容は変わることもあるのでご参考程度です。気になる方はwebページ等で成分表を比べてみると良いでしょう。

これは100mlあたりの比較なのでペットボトル1本分だとこの5倍程度になります。
また食塩相当量はNaの2.54倍ですので100mgのNaは254mgの食塩と等価になります。
また運動などで大量に汗をかくと1Lの水につき失われる食塩の量は約1gといわれています。
これを踏まえて表で比較してみると、
OS-1はこれをほぼ補える以上の量の食塩(1Lあたり2.9g)が入っているわけですので欠乏状態からの回復には非常に適していますが、通常の状態で飲めば塩分摂り過ぎな状態になってしまうわけですし通常時・運動時には食塩は食物からも大量に摂取しますから、予防として飲んだりhikeなどの運動に合わせるにはかなり過剰です。
カリウムも過剰摂取は体内のイオンバランスが大きく崩れ筋収縮に影響を与えることになるそうです。
また下痢などの脱水状態における栄養補給のための砂糖もそれなりに入っていますのでポカリよりは遥かにマシとはいえ、血糖値の上昇も引き起こします。
というわけで現状ではNunn sportなどが砂糖はかなり少なめでカロリーや血糖値を気にせず水分の摂取・電解質の調整がしやすくなっていますのでオススメと言えます。
日本でもアミノバイタル電解質チャージなどの製品が出始めていますが、タンパク質にこだわりすぎてNunn Sportより割高になってしまっているのと人工甘味料がふんだんに使われていることが気になります。
Nunn Sportはまた味のバラエティが多いですからこういった製品を買って試してみてください。
食事に塩分が少なく、さらに電解質の積極的取得を食事の補助として試みる場合にはEnergy gel, energy chewといったものが候補に上がります。
アメリカではsmart waterといった蒸留水に電解質を加えてつくったミネラルウォーターがありますが、味に影響が出るほどの電解質は含まれていない(0.1-数mg/100ml程度)ので普通のミネラルウォーターと同等かちょっといいかな程度で電解質の補給源としては使えません。
ただしsmart waterのボトルは軽くて丈夫でたくさんはいるのでULハイカー向け水筒としては最適なものの一つだと思います。

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