Ford a river

日本では橋梁の整備状態がたいへんよく、hiking中に川・小川を渡渉する機会がとても少ない。川どころか車道などにも頻繁に橋がかかっている。橋がかかっていないのは容易に飛び越せる小川がほとんどのように思う。
一方アメリカのtrailで一番悩むのがこの渡渉である。簡単な短いtrailでも渡渉しなくてはならない部分がしばしばあったりする。中には渡渉前提で川底が舗装されたような道すらある。はっきり言ってクマやハチより厄介である場合も多く、日本では滑落・道迷いなどがhike中の事故の大きな割合を占めるが、アメリカでは渡渉も大きな割合を占める。実際に筆者も川を前にどこで渡ろうかうろうろしてしまうこともしばしばである。えいやっと苦労して渡ったあとで、もっと良さげな渡渉地点を見つけることもある。いくつかのtipsをここに示したい。
a.) 渡渉は温度の低い午前中のほうが水量が少なく有利である。特に春の雪解け期であったり、氷河がもとになっている河川や雪がすぐそこに見えているような状態ではなおさらである。午後になっても水温はそれほど上がらないのに雪解けが進み水量は目に見えて多くなる。渡渉しなければならないところがわかっていれば、午前中の早いうちに着くようにしよう。
b.) 渡り始める前にもっとも適した渡渉地点を探そう。川幅が最も広く浅く、かつまっすぐに進めるところが渡渉にベストな部分で、狭い部分は流れが早く深さもあり危険度が増す。橋が流されていて渡渉を強要される場合などでは橋がかかっていたところは幅は狭いがそのぶん流れが急であったりするので、渡渉に最適な場所とはいえないことも多い。ひざ上まで水が来るようであればもう一度もっと適した渡渉場所がないか探そう。石だらけの川床では踏み跡がはっきりしないことが多いが、多分にあなた以前に渡渉した人(あるいは熊や鹿などの大型動物)がいるはずなのでまずしっかり踏み跡を探してみることが必要である。またどこで向こう岸に着くのかも渡り始める前にしっかり考える必要がある。
c.) 濡れるからと言って裸足で渡るのは無謀である。怪我しやすいだけでなく、水の冷たさにさらされると痛みなども強く感じられ頭で考えたようには進まないことも多い。非防水のトレランシューズなどで靴下だけ脱いでそのまま水に入るのが一番楽。登山靴の人はもちろん内部を濡らす訳にはいかないので、サンダルなど他の履物に履き替えるか、なければ靴下だけを履いたままで水に入ろう。事前に準備できるなら使い古しのテニスシューズなどが滑りにくく最適なようだ。
d.) バックパックは万が一の事を考えてストラップを緩めにしてはずしやすいようにしたほうが良い。腰や胸のストラップを外しておくほうが着脱し易い。渡渉時に体を安定させるのにも、またどれくらい急流なのか調べたり、特に濁った流れのときに深さがどのくらいあるか等知るためにトレッキングポールはかなり役に立つので渡渉には必需品ともいえる。
e.)やむを得ず急な流れの中を渡渉しなければならないのであれば、カニ歩き(横歩き)で渡るのがよい。体の正面を上流方向に向けて進路は少しだけ下流に向かうよう角度をつけて渡ろう。川底近くの水は表面に比べてスピードが遅いので直立し川底に両足が着いているときは安定していても、表面に近づくとどんどん早くなっていくため足を上げたときには片足だしより一層の流れの力をうけて危うい。川の表面近くにある部分が一番強く水流を受けることを頭に入れておこう。
f.) 滑ったりして転んでもパニックに陥らないこと。ゆっくりと安定したところを探し立ち上がり、安全を確認しよう。流されてしまうようであれば足を下流側に向けることで体の安定をとりやすい。もし木や石などが邪魔で立ち上がれないようであればパックパックを外すこと。荷物を失うかもしれないが、命を失うよりはよっぽどいい。

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