
アメリカは広い国であり、また一部の都市を除いては公共交通機関の整備も十分でなく、何をするにしても車が必要であることは以前にも書いた。ただでさえ辺鄙な地域に多く位置するNational Parkに出かけるのだし、町中にある場合はともかく、町の近くにある公園でも利用者が居ないのでバスなどの交通機関があるなどと思ってはいけない。逆に車さえあればホテルなど予約していなくてもまずモーテルは見つかるのでなんとかなる。某H◯Sという旅行社を使ってアメリカに行ったことが一度だけあるが予定を組む時にホテルを確保しないと飛行機を確保しない担当者でちょっとうんざりしたことがあった(私はHawaiiに行きたいわけではない)。さて、実際ドライブするに当たってだが、日本とは習慣がいろいろ違うので注意が必要だ。国際免許を渡す時に参考のリーフレットぐらい作ればいいのにと思うのだがこの点はいつまでたってもそんな様子もない。アメリカが日本と違って右側通行だというのはよく知られているとおりだが、知っているのとそれに従うことができるのとはちょっと違う。ペーパードライバーの人にはこの問題は起こりにくいのだが日本での運転に慣れてしまっている人は気をつけたほうが良い。というのは、車の流れがある都市部などでは他の車の流れに付いていっているので右側だろうと左側だろうとまず問題ないのだが、田舎に行って国立公園のような辺鄙なところでまわりに全く車が居ないと知らないうちに日本にいるときの癖で左側通行してしまったりしていることがあるので大変危険だ。また知っておく必要があるのはスクールバスと救急車両(救急車・消防車)などの扱いである。アメリカでは一般ドライバーの救急車両に対する扱いは日本と違いかなり丁寧である。車を道端にできるだけ寄せて停車しなければならないのだが(日本の人は知っているけれど信号のない横断歩道で停止しないのと一緒で実際やる人は1-2割程度?)、中央分離帯がない場合に対向車線の通行であっても皆さんさも当然のように実施する。慣れないうちでもサイレンが聞こえてきたらまわりの車がどのように対応し始めるのかちゃんと目を光らせておこう。スクールバスの場合、子供の乗降を行っている場合はランプが点滅し「stop」の標識が車体から出てくる。これが出てきている時は止まっているからといって絶対に追い越しなどしてはいけない。バスの後ろで乗降が終わり、標識が引っ込むのをじっと待とう。緊急車両と同様中央分離帯がない場合の対向車線でも停止が義務付けられており反対車線だといって気にせず進んだりしては絶対に行けない。また学校の近くはスクールゾーンになっており、黄色の信号機がよく点滅している。この点滅がある場合はまずそこに表示されているスピードは20mileとか25mileなどかなり低いものでも必ず守るようにしたほうが良い。なぜならよく警察がパトロールに来ているし通常のスピード違反より厳しく取り締まられることが多いからだ。その他ではスピード違反に対する感覚は日本とそんなには変わらないと思うが、このスクールゾーンとあとは工事中の区間で減速する指示が出ている場合で実際に人が働いている時はこれにも少し気をつけたほうが良い。またルールとして特殊なのは「STOP」サインがある信号のない交差点で、こういった交差点では必ず停止線で一時停止し、優先車線が指定していない場合は(all wayとの表示がある)先に進入した車から行きたい方向に行くことになる。このため自分がどの順番にいるのか交差点に進入する際に把握しておこう。一時停止に対する扱いは日本と違って結構厳しい(というか日本では踏み切り以外の一時停止など警察は気にもとめていないかのようでこんなに歩行者に優しくない国は日本と台湾・中国くらいのものである)。また徐行と(完全停止が必要とされる)一時停止は大きく違うものだと考えたほうが良い。便利な方としては信号のある交差点では赤信号でも基本右折できる。これはかなり有益である。ただしこの右折時、対向車線からの左折車には十分に気をつけよう。国立公園内の場合になるが、警察でなくNational Park Rangerが交通規則を含めpatrolしており、違反切符などの罰則を与える権利も有している。つまり公園内ではPark Rangerの車はpolice carだと思っておとなしくしたほうがよいということだ。何れにせよ交通安全に気をつけてNational Parkを楽しもう。